雇用調整助成金のポイント(対象・助成率・申請など)について解説

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1. 雇用調整助成金とは

雇用調整助成金は、景気変動などによって、会社の業績に悪影響があった場合に、会社側が行った雇用調整(休業・教育訓練・出向などの措置)に対して助成金を支給することにより、従業員の雇い止めや解雇を防ぐためにあります。

今回の特例措置は、新型コロナウイルスの影響により業績が悪化したなどの理由によって、事業主が休業手当を支給して従業員を休ませた場合に、その費用の一部を政府が助成するものです。

2. 雇用調整助成金Q&A

Q1. 雇用調整助成金の申請はいつ行えばいいの?

今回の雇用調整助成金の特例措置の実施期間(緊急対応期間)は、2020年4月1日から9月30日までです。

ただし、通常期間である年間100日はこれとは別に発生します。

雇用調整助成金の申請は通常1ヶ月(※)ごとに行いますが、緊急対応期間においては複数月をまとめて申請することができます。

※1ヶ月とは、毎月給与締め切り日の翌日からその次の締め切り日までの期間をいいます

緊急対応期間 12月末まで延長で調整

現在、雇用調整助成金の特例措置を講じる緊急対応期間が、3ヶ月延長の方向で調整されています。

延長が確定となれば、緊急対応期間は12月末までとなります。

Q2. 雇用調整助成金の対象となる事業者は?

雇用調整助成金の対象となるのは、雇用保険の適用事業主で新型コロナウイルスの影響を受ける会社・個人事業主(全業種)です。

たとえば、以下のような経済上の理由で休業などを行った事業者が助成対象になります。

  • 取引先が新型コロナウイルスの影響を受けたため、受注量が減り、事業活動が縮小した
  • 行政からの営業自粛要請を受け、自主的に休業を行い、事業活動が縮小した
  • 市民が外出を控えたため、客数が減少した
  • 風評被害による観光客の減少で、客数が減少した
  • 従業員が新型コロナウイルスに罹り、自主的に事業所を閉鎖したため事業活動が縮小した

緊急対応期間においては、事業所設置後1年未満の事業主も助成対象となります。

同じく緊急対応期間においては、風俗関連事業者も限定なく助成対象となります。

※雇用調整助成金は、休業手当を支給している会社に対して政府が助成を行うものです。そのため、大前提として、労使間の協定にもとづいて休業などを実施し、休業手当を支払っている必要があります

Q3. 助成金の支給は何を基準に決めるの?

生産指標」という基準が支給要件として定められています。生産指標とは販売量、売上高などの事業活動を示す指標のことです。

緊急対応期間において、生産指標要件は、従来の「3ヶ月10%以上低下」から「1ヶ月5%以上低下(最近1ヶ月の売上が5%以上減少)」へと大幅に緩和されています。

自身が生産指標の要件を満たすかどうか調べたいときは、計画届を提出する日の前月の生産指標と前年同月の生産指標を比較しましょう。このとき、5%以上減少していれば助成金の対象となります。

※4月から休業を開始し、5月に4月と5月分をまとめた計画届を事後提出した場合、4月の売上と前年4月の売上を比較します
※事業所設置後1年未満の場合は、計画届を提出する月の前月と2019年12月との1ヶ月分の指標で比較します
※前年同月とは適切な比較ができない場合は、こちらをご確認ください

Q4. 対象となる従業員は?

通常は雇用保険に6ヶ月以上加入している従業員が対象となりますが、今回の特例では対象者を拡大し、加入期間が6ヶ月未満や被保険者でない人であっても適用となります。

つまり、新入社員や派遣社員、契約社員、パート従業員、アルバイト(学生を含む)を休業等させた場合であっても、助成金給付の対象になるということです。

※学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は「緊急雇用安定助成金」の支給対象となります

Q5. 助成率はどれくらい?

助成率は、中小企業が4/5に、大企業が2/3です。

解雇を行わない場合には、助成率は中小企業で9/10、大企業で3/4となります。

自治体からの休業要請を受けても解雇等を行わず雇用を維持している、または労働基準法上の基準(60%)を超える高率の休業手当を支給している中小企業は、助成率がさらに引き上げられます。

① 一定条件を満たすと、休業手当全体の助成率が10/10(10割)に

以下3つの要件を満たす場合には、休業手当全体の助成率が特例的に10/10(10割)となります。

  • 中小企業であり、解雇等を行わず雇用を維持していること
  • 自治体の要請により、休業または営業時間の短縮を求められた対象施設を運営する事業主であって、これに協力して休業等を行っていること
  • 以下のいずれかに該当する手当を支払っていること
    (1) 従業員の休業に対して100%の休業手当を支払っていること
    (2) 上限額(15,000円)以上の休業手当を支払っていること(支払率が60%以上の場合にかぎる)

② ①の条件を満たさない場合であっても、休業手当の支払率が60%を超える部分の助成率が特例的に10/10(10割)に

中小企業が解雇等を行わず雇用を維持し、賃金の60%を超えて休業手当を支給する場合、60%を超える部分にかかる助成率が特例的に10/10(10割)となります。

いずれも、4月8日以降の休業から適用となります。また教育訓練を行わせた場合も休業の場合と同様の適用が行われます。

(出典)雇用調整助成金の特例措置を実施します(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11128.html

Q6. 受給できる金額は?

前年度に支払った給与総額から1人あたりの平均給与額を計算し、その額に助成率を乗じた額(従業員1人あたりの上限日額は15,000円)となります。

たとえば、平均給与額が1万5000円の中小企業A社において、従業員を解雇せず休業手当を9,000円(平均給与額の60%)支給した場合、従業員1人あたり8,100円(休業手当の9割)が助成されます。

上記の条件で、従業員30人を10日間休業させた場合のA社の助成額は、次のようになります。

従業員30人 × 休業10日間 × 8,100円 = 243万円

Q7. 支給限度日数は?

支給限度日数は、これまでの1年100日、3年150日に加えて、緊急対応期間(2020年4月1日から9月30日まで)の日数も含まれます

3. 申請する際の提出書類について

雇用調整助成金を申請する際に必要な提出書類は、「小規模事業主(従業員数がおおむね20人以下)」と「小規模事業主以外」で様式が異なります。

申請に必要な様式は、厚生労働省ホームページからダウンロードできます。またお近くのハローワークや都道府県労働局、労働基準監督署などでも配布されています。

雇用調整助成金申請書類一覧の画像イメージ

小規模事業主の方〈休業の場合〉

小規模事業主(従業員数がおおむね20人以下の会社・個人事業主)の方は、支給申請マニュアルを参考にしながら、提出書類の作成を行ってください。

雇用保険被保険者の場合

▼雇用調整助成金支給申請マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000636683.pdf

希望する申請方法ダウンロード先
手書きで作成したい方https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000636686.pdf
※ここに記入が必要な書類が全てまとまっています。全て両面で印刷して、必要な箇所に全て記入しましたら、添付書類とあわせて都道府県労働局もしくはハローワークに提出してください
パソコンを使って申請したい方https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000636685.xlsx
※ここに記入が必要な書類が全てまとまっています。Excelファイルを保存後、一番左のページから順番に必要な箇所に全て入力しましたら、両面印刷して添付書類とあわせて都道府県労働局もしくはハローワークに提出してください

※役員等がいる場合には、その役員等の氏名、役職、性別・生年月日がわかるものを添付してください。様式例はこちらです
※リンク切れの場合は、こちらからダウンロードできます

雇用保険被保険者以外(学生アルバイト等)の場合

▼緊急雇用安定助成金支給申請マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000636687.pdf

希望する申請方法ダウンロード先
手書きで作成したい方https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000636688.pdf
※ここに記入が必要な書類が全てまとまっています。全て両面で印刷して、必要な箇所に全て記入しましたら、添付書類と併せて都道府県労働局もしくはハローワークに提出してください
パソコンを使って申請したい方https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000636689.xlsx
※ここに記入が必要な書類が全てまとまっています。Excelファイルを保存後、一番左のページから順番に必要な箇所に全て入力しましたら、両面印刷して添付書類と併せて都道府県労働局もしくはハローワークに提出してください

※役員等がいる場合には、その役員等の氏名、役職、性別・生年月日がわかるものを添付してください。様式例はこちらです
※リンク切れの場合は、こちらからダウンロードできます

小規模事業主以外の方〈休業の場合〉

小規模事業主ではない事業主の方は、以下の申請様式をご利用ください。

※計画届は5月19日から提出不要になりました

 書類名備考
様式特第4号
雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書
【添付書類】
生産指標の低下が確認できる書類
※「売上」等がわかる既存書類の写しも可(売上簿、営業収入簿、会計システムの帳簿、客数のデータ、客室等の稼働率など)
様式特第6号
支給要件確認申立書・役員等一覧
役員名簿を添付した場合は、役員等一覧の記入は不要
様式特第9号または12号
休業・教育訓練実績一覧表
自動計算機能付き様式
様式特第8号または11号
助成額算定書
自動計算機能付き様式
様式特第7号または10号
(休業等)支給申請書
自動計算機能付き様式
休業協定書【添付書類】
労働組合がある場合:組合員名簿
労働組合がない場合:労働者代表選任書
※実績一覧表(様式特第9号または12号)の署名または記名・押印があれば省略可
事業所の規模を確認する書類既存の労働者名簿および役員名簿で可
※中小企業の人数要件を見たしている場合、資本額を示す書類は不要
労働・休日の実績に関する書類休業させた日や時間がわかる書類
※ 出勤簿・タイムカードの写しなど(手書きのシフト表などでも可)
休業手当・賃金の実績に関する書類休業手当や賃金の額がわかる書類
※賃金台帳や給与明細の写しなど

※ ①, ⑥, ⑦は、2回目以降の提出は不要(ただし、⑥は失効した場合、改めて提出が必要)

4. 雇用調整助成金についてさらに詳しく知りたい

雇用調整助成金についてさらに詳しく知りたいという方は、厚生労働省ホームページで公開されている一次情報をご確認ください。

厚生労働省ホームページ・雇用調整助成金(★)はじめての雇用調整助成金(5月22日掲載)
雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)(5月22日現在版)雇用調整助成金支給要領(令和2年5月19日改正)
緊急雇用安定助成金支給要領(令和2年5月19日改正)

※リンク切れの場合は★へアクセス後、ご確認ください。

5. 雇用調整助成金に関するお問い合わせ先

雇用調整助成金の申請に関するお問い合わせは、お近くの都道府県労働局または公共職業安定所(ハローワーク)が利用できます。

▼雇用調整助成金のお問い合わせ先一覧(全国の都道府県)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10702.html

▼学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金コールセンターの連絡先
0120ー60ー3999
受付時間 9:00~21:00(土日・祝日含む)
※非常に込み合っているため、電話がつながりにくい場合があります。

▼厚労省LINE公式アカウントで、雇用調整助成金の情報を確認することができます
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